ヨガの基礎 ヨガの種類

ヨガの種類その① - 「ハタヨガ」「アシュタンガヨガ」など、ヨガを歴史・クラスの内容で分類!

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こんにちは、yogism編集部です。

ヨガは約5000年前にインドで誕生し、現代までに様々な歴史を経て流派、分類分けされてきました。多くの種類があり、どれが自分に合うのか迷ってしまいますよね。

ヨガに何となく興味があっても、色々な種類があってどんなクラスに参加すれば良いのか分からない・・・という方は多いのではないでしょうか。

今回はヨガの歴史にも少し触れながら、ヨガの流派、種類などを説明していきます。また、この記事はヨガクラスの内容について分類しご紹介しています。ホットヨガ、ビーチヨガなど、ロケーションや環境による分類は種類その②でご紹介しているのでこちらをご覧ください!

まずはヨガの流派、種類を分類したチャートをチェック!

今回は8つのヨガの流派、分類をご紹介しますが、文章だけでは分かりにくいので難易度・運動量で分類したチャートを作成しました!

このチャートをもとに、興味がありそうなヨガをチェックしてみてください。

1. ハタヨガ - 「身体を動かしポーズを取るヨガ」の源流

「ハタヨガ」の意味は広義の意味と狭義の意味があり、少しややこしいのですが分かりやすく説明していきたいと思います。「東京」と言っても広く東京都全体をさす場合と東京駅周辺のみを指す場合とありますよね。それと同じと考えてもらえれば良いかと思います。まずは広い意味での「ハタヨガ」を見て行きましょう。

広義のハタヨガは身体を動かしてポーズを取るヨガ全てのことを指します。皆さんが「ヨガ」と言われ想像する、ヨガマットの上でポーズを取るヨガは全て広義の「ハタヨガ」です。身体を動かさないヨガなんてあるの?と思われるかもしれませんが、瞑想や日常生活における行動指針などを実践するヨガ流派などもあります。先程のチャート上に載っているヨガは身体を動かすヨガ、「広義のハタヨガ」にほとんどのものが含まれます。広義のハタヨガから、様々な流派が生まれてきました。

一方、狭義のハタヨガはひとつひとつのポーズを丁寧に取ってから呼吸とともにある程度キープするタイプのヨガを指します。インストラクターがポーズに入るまでの動きをしっかり説明していくので、初心者にも優しいヨガと言えるでしょう。チャート上で初心者から上級者の範囲で大きめの範囲になっていますが、これは開催されるクラスによって難易度に差があることを示しています。ハタヨガクラスに参加する場合は「初級」「中級」「はじめてのハタヨガ」など、難易度を伝えているクラスが多いので、ご自身が試してみたい難易度のクラスを選ぶと良いでしょう。

2. アイアンガーヨガ - ハタヨガをさらにストイックに正確に

アイアンガーヨガはB.K.S.アイアンガー師(B.K.S.Iyengar, 1918-2014)により編み出されたヨガのメソッドです。ヨガの内容としてはハタヨガと同様、ひとつひとつのポーズを丁寧に取り、キープするクラス形式が多いですが、その他に大きな特徴が2つあります。

ひとつ目はポーズの正しさをストイックに追求して行く姿勢です。ここで言う「正しい」とは、関節を含む骨格と筋肉があるべき位置、向きに力が入り安定している体勢のことです。解剖学的に「中立」「ニュートラルポジション」と言われる、身体のどの部分にも無理な力が入らず安定的に身体を支えられる状態の関節、筋肉の状態を踏まえ、ポーズの時にも正しい場所に身体の各パーツが行くように指導が行われていきます。ヨガインストラクターの大先輩がインドでアイアンガーヨガを学んだ際は「あと数ミリ右つま先を後ろに」などと指導があったと聞いたことがあります。それほどポーズの正確性を追求するヨガの流派と言えるでしょう。

もうひとつの大きな特徴はプロップス(道具)を最大限に活用していくと言う点です。ヨガはマットの他にベルト、ブロック、ボルスター(枕のようなクッション)などを補助的に使うことがありますが、それらのプロップスを先ほど述べた正しいポーズに向かうために活用していきます。正しいポーズって皆一緒じゃないの?と思うかも知れませんが、手足の長さ、関節の可動域、筋力、身体の状態(ケガ、疾患、妊娠など)によりあるべきポーズはひとりひとり微細に異なります。それらを指導者が生徒の身体によって必要なプロップスを必要な場所で使うように指導し、「正しいポーズ」へ近づけて行きます。

3. ヴィンヤサヨガ - 呼吸とともにポーズを取る運動量多めのヨガ

ヴィンヤサヨガは吸う/吐くの呼吸のタイミングに合わせて身体を動かし、流れるようにポーズを変えていく運動量が多めのヨガです。後ほど説明するアシュタンガヨガから派生したと言われていますが、呼吸に合わせてポーズを取っていくという意味で広義に使われているヨガの分類です。クラスによってはフローヨガと呼ばれることもありますが、こちらも同じ意味と捉えて問題ありません。

ヴィンヤサ(フロー)ヨガは呼吸に合わせてポーズを変えていきます。ひとつのポーズの時間が短く、正しい姿勢にこだわり過ぎずにヨガにチャレンジできるため、初心者に向いているヨガと言えるでしょう。「まずはヨガの正しい姿勢を身につけたい」という初心者はハタヨガタイプ、「まずはヨガの心地良さを感じたい」という方はヴィンヤサ(フロー)ヨガタイプのクラスを受けるとそれぞれ満足度の高い時間を過ごすことができると思います。

ヴィンヤサヨガもクラス構成により初心者向け〜中上級者向けのクラスまで幅広いので、ご自身が受けたいと思うレベルのクラスを選ぶようにしましょう。

4. アシュタンガヨガ - ヴィンヤサの動きを呼吸とともに極めていく

今回は狭義のアシュタンガ・ヴィンヤサ・ヨガについて説明します。アシュタンガヨガはティルマライ・クリシュナマチャリア師(1888-1989)がその基礎を築き、師に学んだシュリ・K・パタビジョイス師がアレンジを加え1990年代より広く世に広がったと言われているヨガの流派です。

アシュタンガヨガはヴィンヤサと同様、呼吸に合わせてポーズを流れるように変えて行っていくスタイルを取ります。ヴィンヤサ(フロー)ヨガにない大きな特徴は太陽礼拝から立位、座位、逆転とポーズを取る順番が決められており、それを繰り返して鍛錬していくという点です。運動量もかなり多く、クラス後はすっきりした!と感じられる方も多いでしょう。初心者でも参加できると言われていますが、ある程度ヨガに慣れ親しんでからのほうが充実感があると思います。

初心者だけど、アシュタンガヨガに興味がありどうしても参加したい!という方は自分のペースで練習出来る「マイソール」から参加するのが良いでしょう。もちろん指導者もいますので、何かあれば都度指導してもらうことが可能です。

5. パワーヨガ - アシュタンガを源流としたエクササイズ要素多めのヨガ

パワーヨガはアシュタンガヨガをベースにした、米国発祥のヨガスタイルです。アシュタンガヨガは「動く瞑想」とも言われるように、精神的な作用も重要視していますが、パワーヨガはエクササイズ要素がとても強く、身体的に健康になることを重要視し美容法にも多く取り入れられています。

パワーヨガは筋力アップにつながりやすいポーズのキープ、動きながらエネルギーを消費するフローの要素をバランスよく取り入れているクラスが多いです。ただ、どちらも比較的負荷が強い要素が多いので筋力、持久力に自信がある方であれば初心者でもチャレンジすると満足感が得られるでしょう。

6. 陰ヨガ - ポーズを時には数分間。リラックスした状態で行うヨガ

陰ヨガはひとつのポーズを3分から5分程度、呼吸を続けながら続けるのが特徴のヨガです。そう聞くと体力的に辛そうと感じるかも知れませんが、キープするポーズは負荷の少ないものが選ばれることが多いです。ある程度の時間、心地良いと感じるところでキープを続けることで関節の柔軟性、特に股関節の柔軟性を高めるのに効果があるとされています。

ヨガが注目を集め始めた1990年代から広まっていった流派は運動量が多く、エクササイズ要素が高いものがほとんどでした。そんな中、2000年代より精神的にリラックスしつつ身体の柔軟性を高める陰ヨガが徐々に広がりつつあります。

ヨガにリラックス要素を求める方は、初心者でも参加しやすいでしょう。ヨガに精神性や哲学的なものをあまり求めない方は運動量の多いヨガを選ぶほうが要望に合ったクラスに出会いやすいかも知れません。

7. リストラティブヨガ - 「調整」するヨガ。リラックスの極み

リストラティブヨガの「リストラティブ」とは「調整する」「調整的な」という意味を持ちます。その名の通り、ベルト、ブロック、ボルスター、ブランケットなどのプロップス(道具)を最大限に活用し、身体の関節、筋肉を正しい位置に置き、無理のない姿勢で休むことにより身体の関節の調整とともに精神的にも深いリラックス状態に入ることができるヨガスタイルです。

リストラティブヨガは仰向けの姿勢や座位のポーズを取ることがほとんどで、力を入れずに関節を正しい位置に導くように調整していきます。ポーズを取るときに主に力を入れる腹筋群を使うことも少ないので、マタニティヨガなどに用いられることも多いスタイルです。

ただ、妊娠中は特に注意が必要な時期なので、妊娠中にクラスを受けたい場合は必ず事前に担当のインストラクター、指導者に参加可能か確認してからクラスを予約するようにしましょう。

8. クンダリーニヨガ - ポーズは少なめ。呼吸とマントラで「覚醒」を目指す

クンダリーニヨガはポーズ、呼吸、マントラを組み合わせ、チャクラを活性化することで体内クンダリーニ(シャクティ)を覚醒させることを目指すヨガです。

突然サンスクリット語が多数出てきて戸惑われた方も多いと思いますが、クンダリーニヨガはこれまで紹介したヨガと比較して精神性も重視したヨガといえるでしょう。

ちなみに「マントラ」とは、神々への賛歌や宗教的な文言を短くまとめた言葉のこと。仏教でいうお経に近い意味合いを考えてもらえればよいと思いますが、インドの方々にとってはもう少し身近なもののようです。

「チャクラ」とは体内に7つある、人体のエネルギーが宿る場所とされています。ヒンズー教の神々は額に3つ目の目がある姿をしている場合がありますが、第3の目が描かれている場所もチャクラのひとつです。

ポーズや呼吸で身体を整えるとともに、心、身体、魂のバランスを整えるといわれています。ポーズを取るだけではない、ヨガの精神世界に興味がある方はクラスに参加してみるとよいでしょう。


今回は8つのヨガの種類をご説明しました。

改めて最初のチャートをご覧いただき、ご興味あるヨガクラスにぜひ参加してみてください!

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